同居相手はまさかの!?
「はあ…。」


これからは、家でも会社でも一緒なんて…。


今もドキドキしてるのに、この先もドキドキするなんて…。


その時、あたしの隣のデスクに座っている音川さんが声を掛けてきた。


「小野田さん、小野田さん!」


「な、何?」


「藤堂さんと小野田さんってどうゆう関係なんですか〜??」


(少なくとも、婚活サイト登録して、そのイベントに参加してお試し期間で同居してる相手です♡
…なんて言えねえー!
そんな事言ったら、完全に頭をおかしいって思われるよね…。)


「え、えっと…と、特に何もないよ?
本当に知り合いに似てて…。
私の勘違いなだけだよ?」


(ああ…。嘘をつくのが申し訳なくなる…。)


「え~知り合いって誰に似てるんですか〜?」


それでも音川さんはグイグイ聞いてくる。


「え、えっと…。」


(…どうしよう。)


困り果てていたその時、



「小野田さん、これお願いします。」


「あ…はい。」


顔を上げると、藤堂君だった。


(と、藤堂君!?)


「…何か?」


「あ、いえ…。」


(てか、何であたしに?)


「課長にこの書類を小野田さんに渡してくれって頼まれまして。」


(あ、ああ…なるほど…。課長ありがとうございます
!)



「じゃ、お願いしますね。」


「は、はい。」


書類を受け取ったその時藤堂君とあたしの指が当たってしまった。


そして思わずドキっとしてしまった。


「ご、ごめんなさい…。」


「いいえ。」


藤堂君は何事もなかったように、またさっきみたいにふっと笑った。


…その時あたしは完全に射抜かれそうになった。


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