同居相手はまさかの！？

その時


「おいおい、どうした？」


低めの男性の声が聞こえた。


俺はさっと茉莉から離れた。


コーヒーを持った、長身の爽やかハンサムな男が立っていた。

「菅原課長！お疲れ様です！」


茉莉はこの男を菅原課長と呼んでいた。


良く見れば思い出した。



この男、あのショッピングモールの時に茉莉を助けていた、…茉莉の言っていた上司だ。

「…何か怒鳴り声が聞こえたから来てみたら…って君は？」


俺は咄嗟にキラキラモードに切り替えた。


「今日から、異動して参りました。
営業第2課の藤堂友也です。」


そして俺は挨拶をした。


「「ああ！君か！営業2課の新人男性社員って…
噂通りイケメンだな。
あ、自己紹介がまだだったな。
俺は営業第3課の課長の菅原英治だ。
よろしく！」


そう言って菅原課長は手を出してきた。


「よろしくお願いします。」


そして俺達は握手をした。


その時耳打ちをされた。


「やるならもっと他の場所でうまくやれよ。」


「は？」



(…何だ、こいつ。)


「藤堂友也…いや、【高杉】友也君。」


(！！…何でその名前！)


どうゆう事だ。


何でこいつ…その名前を…。



そして菅原は手を離した。


「課長、どうかしましたか？」


茉莉は不思議がっていた。



「ん？小野田には内緒？」



「えー！何ですかそれ！」


また、二人だけのあの空間になっていた。


「ははは、じゃあな。あまり頑張りすぎるなよ。」


そう言って菅原は帰った。


(…何だあいつ)


でもあいつは知っている…。



いったい、何者なんだ…。



「…小野田さんコピーありがとうございました。」


俺は仕事モードに変えた。


「え？」


その時茉莉はキョトンとしていた。



「じゃあ、失礼します」


そして俺はコピーした書類を取り、出ていった。


もし…茉莉に会社で近づいてる事がバレたら…


計画は終わりだ…。


全てパアだ…。


この復讐が終わるまでは


俺は…まだ知られる訳にはいかないんだ…。