同居相手はまさかの!?
【茉莉side】

そして、しばらくして社長は満足そうに帰って行った。


(…藤堂君大丈夫かな?)


社長を見送った後、藤堂君はどこかに消えた。


(…藤堂君。)


そしてあたしは藤堂君を探しに行った。


「…藤堂君どこ?」


だけどどこを探しても高杉君の姿はなかった。


その時たまたまバルコニーを見つけた。


そしてベンチに座る藤堂君の姿が見えた。


あたしは、藤堂君の元へ走った。


「…藤堂君!!」


振り返った時、藤堂君は気まずそうな顔をしていた。


「…何で来るんだよ…。」


「ごめんなさい…あたしのせいで…。」


「俺が勝手にやった事だから。」


だけどそう言って藤堂君はまたあたしを突き放した。


「…嘘つき」


あたしは思わず口に出してしまった。


「……」


「何で嘘つくの?あたしが困ってる所見てたんでしょ?」


「…ちげーよ」


「だったら何でこっちに来たの!?ほっといてくれば良かったじゃない!」


「…それは」


「…そんなぐったりして…関わるなって言うならそっちこそ関わらないでよ…。
料理…なんて教えないでよ…」


あたしはつい、涙を落とした。




最近のあたしは本当に泣き虫だ。


「お、おい」


「お願いだから…あたし以外と人と親しげにしないで…」

…完全にヤキモチだ。


…嫌だった。


藤堂君が他の女子社員と仲良くしてる姿を見るのが


「え?」


藤堂君は唖然としていた。


そしてあたしはこれまでの自分の気持ちを伝えた。

「あたし、藤堂君に告白された時、本当に嬉しかった。
図書館に行くのが毎日楽しみだった。
でも…あの日藤堂君が鮫島君に虐められている所を聞いて、
鮫島君は誰でも容赦ないって友達から聞いて…
あたしは…怖くなって自分を守るためにあなたから逃げた。
本当にごめんなさい…。

だから、あのイベントで再会した時

振られた腹いせにあたしを指名してたんだと思ってた。

でも一緒に住んでいくうちに藤堂君の素の姿をだんだん知った。

最初はからかわれるのが、すごく嫌だった。

馬鹿にされてるみたいで

実際毒舌だし、口は悪いし、

でも、本当は優しくてあたしの事ずっと気にかけてくれてた。だからあたしは…。」


気づいたら止まらなくなっていた。


その時



「……俺の事好きなの?」



そう言って藤堂君はまたあたしをからかった。


でも…もう良い…。


素直になると決めたから


「…好きだよ」


あたしはそう告げた。


藤堂君はびっくりしていた。


そして気づいたらあたしは、藤堂君にキスをしていた…。

♪〜♫〜♫〜♪


でもそれが、あたしと藤堂君の壁を壊してしまう事になるなんて…。





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