同居相手はまさかの!?
【友也side】

『はい…。俺です。ああ…その件ですか?…分かりました』


ピッ


「ふう…」


俺は一度自宅に戻っていた。


久々の自分の部屋。


だけど何故かまるで…初めて来た感覚に陥っていた。



…茉莉と住んでいたあの家が俺の中ではもう…


本当の家になっていた。


【情】があったんだ。


「…茉莉。」

俺はふと…彼女の名前を呼んだ。


名前を呼んだだけなのに、口に出した瞬間


彼女との出来事が…走馬灯のように流れ出てきた。


俺にとってこの数日間はかけがえのないものだった。


大事な大事な時間だった。


でも、その時間も…多分もうすぐ終わる…。


茉莉に全部バレた時、俺はどうしたらいいのだろうか?


茉莉の悲しむ顔を今度は俺がそうさせてしまう。


…ごめん茉莉。


俺はただ、ただ頭の中で何度も謝った。


その時


♫〜♪〜♫〜♪


スマホが鳴った。


画面を見ると、茉莉からだった。


「…茉莉!」


…まさかバレたのか…。


どうする…?


ここで出れば…バレてしまうのかもしれない…。


でも…!


スマホはずっと鳴り止まなかった。


『…はい。』

そして俺はおそるおそる電話に出た。



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