同居相手はまさかの!?
【友也side】


「そこまで知ってるなら教えてやるよ。俺はスパイだ。
あの家に監視カメラが付けられてる事も最初から知ってた。
茉莉に近づいたのもずっと会社の指示でやってただけ。
つまり演技。」


「そ…んな」


そう、それが事実だ。


全部演技だ。


「じゃあ…あたしに料理を教えたのも…?
ワンピースをくれたのも…?」

泣きそうな声で、聞いてくる。 


この時、俺はもう楽になりたかった。


嫌われたかったんだ。



「そうだよ。全部演技。
けど茉莉、中々落ちねーもん。」


そう、俺は最低なやつなんだ。


…優しくなんてない。



「どうして…。あたしの前に現れたの?」



「…憎かったからだよ。」


俺は口に出してしまった。


…そうだ。ずっとずっと憎かった…。


あの女が…。



何年経っても俺は忘れない。




「違うな。正しくは【茉莉の家】かな。」



ぐちゃぐちゃになってしまえば良かった。



「俺は復讐をする為に茉莉に近づいた。
けどもうバレてしまった以上、ゲームオーバーだな。」

そう言って俺は、スーツのポッケから封筒と

…あの鍵を取り出した。


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