同居相手はまさかの！？
中学生になってからは猛追に勉強しまくった。


が…


「嘘だろ…。」


志望校だった彰院高校に落ち、俺は聖翔高校に行くことになった。


その頃から、俺の家庭はむちゃくちゃになった。


親父は家に帰らなくなり、母さんはどんどん体調を崩してしまうようになった。


兄貴は、受験に落ちてから家に帰らなくなった。


パリーン


ガシャン


食器が割れる音、親父の罵声、泣き崩れる母さんの声


次第にどんどん家庭はむちゃくちゃになった。


高校では、俺は虐められていて


俺には家にも、学校にも、

どこにも【居場所】なんてなかった。


だから、誰もいないあの静かな図書室だけが、俺のゆういつの居場所だった。


ある時俺は、いつも通り図書室に向かっていた。


ガラ


その時、本の整理をしていた彼女と初めて出会った。


彼女は、誰も来ない図書室に俺が来たからびっくりしていたのかビクビクしていた。


「…今って本読んでも大丈夫ですか？」


俺は唐突に彼女に聞いた。


俺がそう聞いた時、彼女はビクビクしながらも


「えっ…あ…はい。」


そう言ってくれた。


彼女と出会ったのはそれが最初だった。

そして、俺達はよく図書室で話すようになった。

それだけが毎日の俺の楽しみだった。
< 217 / 504 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop