同居相手はまさかの!?
第26話バッティングセンター
【茉莉side】
チュンチュン
小鳥のさえずりが聞こえた。
窓のカーテンから西日が差していた。
「あ…もう朝か…。いつのまにか寝ちゃってた。」
どうやら、あたしはあの後スマホを机に置き
ソファで寝てしまったらしい…。
「身体が痛い…。」
この部屋、一人だと広く感じる。
そっか…今までは藤堂君がいたもんね…。
「今、何時だろ…。」
スマホの画面を見ると、5時30分だった。
「…慣れって怖いな…。」
朝食を作っていた頃は、5時30分に起きていた。
藤堂君の分も一緒に…。
それが当たり前だった。
失恋の傷みはそう簡単には消えない…。
消したくても消せない…。
数週間でも、あたしにとっては濃い毎日だったから…。
早く忘れないといけないのに…。
リタイアをするなら、早く運営にメールしないといけないのに…。
あたしはまだ、先に進めなかった。
最低でも、リタイアするには、残りの1ヶ月までには返事をしないといけない…。
忘れなきゃ忘れなきゃ
頭では忘れようとするのに、身体が前に進まない。