同居相手はまさかの！？

【英治side】

ガシャン


朝から、皿を割る音が聞こえる。


「どうした、万里亜」


「あなた…この女誰…？」


万里亜は俺のスマホを持っていた。


「会社の子だよ！その子とは何もない！」


「…あなたまで私を見捨てるの！？」


…ここまで来ると手に負えない。


俺は万里亜を抱きしめた。


「…ごめん。」　


…。そう言って　


そうすれば万里亜は次第に落ち着く。


だけど俺は正直、疲れていた。


妻の万里亜は、婚約者だった。


俺の家は九条グループだ。


そして九条グループは婚活サイトhappinessを経営している。



俺の親父は、そこの社長。



俺は時期その社長になるつもりだった。


が…


社長になるのが嫌だった俺は九条家と縁を切りたかった。


そのかわり、婿養子として万里亜と結婚しろ。


それが親父の条件だった。



俺の妻、菅原万里亜はhappinessの取引先の会社の社長令嬢だ。


万里亜は優しいが、思い込みが激しい。


そのせいか、鬱になり今は情緒不安定だ。


いや、あの事があってから、万里亜はおかしくなった。



今までは、結婚記念日に花を送っていた。


万里亜は昔から花が大好きだからだ。


「ただいま。」

あの日も俺は、誕生日に万里亜に花を渡した。

…だけど。


「…どうしてもっと、早く帰って来てくれないの…！？
あなたまで私を見捨てるの！？」


今では、帰りが少し遅いだけで


《あなたまで私を見捨てるの！？》



そのセリフを吐くようになった。　



もう昔のように花を見ても喜ばない。


…俺はいつしか万里亜に対して疲れていた。


そして俺はワックに来ていた。


カフェオレを受取り、カウンターに座った。


「ハアー美味しい…。」


その時、小野田の声が聞こえた。


いつもと違うから分からなかったが、完全に小野田だ。

「あれ？小野田？」


俺は咄嗟に声を掛けた。


「す、菅原課長！？」


小野田はビックリしていた。


「お疲れ様です！」

普段、会社でしか会わないから癖が出たんだろう。



「お疲れーってここは会社じゃないぞー。」


俺は冗談混じりで返した。


「す、すみません！」


(かわいいな…。)


「やっぱ小野田だったかー聞いた事ある声がしたから」

何かいつもと違うな…。」


「そ、そうですか…ウフフ」


(見苦しいすっぴんでごめんなさい！)


「何かそうゆう小野田も違ってて良いな！新鮮とゆうか！」


(課長…フォローありがとうございます…。)


「菅原課長、こういった所に来るんですね。」


「あー…まあ、たまにはな。」


そう言った菅原課長の目は寂しそうだった。


(菅原課長…？)


「そか！小野田ん家この辺だったか！」


「あーえっと…まあ…」


そしてあたしと菅原課長は色んな話をした。