同居相手はまさかの!?
しばらくして、高杉さんが帰って来た。


「お待たせしてましたー!」


「あ、うん。おかえりー。」


そしてあたし達は一緒にお昼を食べた。


最初は正直苦手だと思っていたけど、


そんなに悪い子じゃないなー…、


もっと仲良くなれないかな?



そしてあたしは高杉さんの家族関係を聞いてみた。



「高杉さんって、兄妹とかいる?」



その時彼女が食べていたパンの袋の手を止めた。



「…どうしてそんな事聞くんですか?」


「え?あ…。」


(…何だろう…。この緊張感…。)


「あ、いやー…興味本位で」


あたしは咄嗟に誤魔化した。


「あ、そうなんですね!」


(…何だろう…。一瞬顔がこわばったような…。気のせいかな?)


「いないですよ!一人っ子です!」


(…何だったんだろう。…さっきの)


「小野田さんは?」


「え!?あたし!?」


「はい。私も【興味本位】で聞きたくて!」


「えー…。」


「教えて下さいよ〜!」


(まあ、私も聞いたしな…。)


「一人姉がいるよ。」


「そうなんですかー!…今も一緒に住んでるんですか?」


(…どうしてそんな事聞くんだろう…。)


「うーん…今は一緒に住んでなくて…。」


「あーそうなんですか…。お姉さんは今はどちらに?」


(…やっぱりグイグイ来るなあ…まあでも興味本位だもんね…。)


「さあ…分からない…。あたしが20の時出て行ったから…。」


「そうなんですね…。」


「うん…。」


姉さんがどこに行ったか知らない。



25の頃、姉さんは家を出た。



そこからは消息不明のままだ。


連絡もない。


「じゃあ、行くね。」


「あ、はい。お疲れ様でした〜」


そして、あたしは食堂を出た。



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