同居相手はまさかの!?
そして俺は茉莉と目が合ってしまった。


「…お疲れ様です。」


俺は挨拶をした。


「…お疲れ様です。」


一緒に住んでいたのに今はもう他人行儀だ。



そして茉莉は、自分のデスクに向かった。


「あ、あった!」


(パスを取りに来たのか…。)


俺達だけしかいないこの空間がドキドキした。


その時俺は昼の事を思い出した。


そして思わず


「菅原の事、好きなの?」


そう茉莉に聞いていた。


(…何言ってんだ俺…。)


「最近、菅原と一緒にいるよな?」


これじゃまるでストーカーだ。


そして俺はどんどん嫌味を言ってしまった。


「…さっきから何が言いたいの?」


茉莉は、俺にそう言った。


…うん。何言ってんだろうな俺。


でも俺は多分、イライラしてたんだ。


茉莉と菅原が楽しそうに話すあの光景に


「…藤堂君に関係ないよね?」


うん…茉莉の言う通りだ。


「そうだよな…。関係ないよな…。」


茉莉が菅原とくっつきようが俺が口出し出来る立場じゃない。


…分かってる。


…でも!


「じゃあ!」


茉莉が帰ろうとしたその時



「…あいつはやめとけ。」


気づけば俺は、椅子から立ち上がり茉莉の元へ向かい、呼び止めていた。


「…え?」


茉莉はその時、唖然としていた。


「菅原は興味本位で茉莉に近づいてる。」


俺はそう言った。


「何でそんな事分かるの?藤堂君は菅原課長の何を知ってるの?」



茉莉に聞かれ、俺はドキっとした。



…監視されているなんてとても言えなかった。



それは俺も菅原と同じ、Destinyのスパイだから…。


やってる事は菅原と同じだ。


「それは…。」


その後、俺は言えず口籠ってしまった。




















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