同居相手はまさかの!?
キイー…


「…どうぞ。」


「あ…どうも…。」


部屋の中は、談話室になっていた。


(…綺麗な部屋…。)


って見とれてる場合じゃない。


「…座れば。」


以外とタメ口だな…。


あたし…一応ここのお客様なんだけど…。


なんて言えずあたしはソファに座った。


「…で、何でここに来たの。」


「…あなたなら彼の事、何か知ってるんじゃないかと思って」


「…どうして?」


「…このBARで彼とあたしが来ていて彼が帰った後、あたしはあなたに会計をした。
その時あなたはあたしに何か言いかけていた。」


《あ、あの…》


「あの時、あたしに何を言いかけようとしてたの?」


「さあ?…そんな事あったっけ?」


簡単には口を割って話してくれないみたいだ…。



森崎君は誤魔化しているつもりだろうけど、明らかに目が泳いでいた。


「…嘘、つかないで。」


「嘘なんてついてねえよ」


3日前の事なのに忘れてるはずがない。


どうして話してくれないの…。


一体、何を隠してるの…?


「彼はここの常連よね?」 


「何で?」


あたしは話題を変えた。


「初めてこのBARに来た時、彼はあたしの横に座った。
そして、《いつもの》そう言ってあなたにお酒を注文した。
普通、いつものなんて言葉、常連しか使わない。」


「なるほどねー.確かに常連だよ。藤堂は。
てかあんたあんだけ強いの呑んでて、分かってたんだ。」


その時あたしは、ピンと来た。


「…どうして彼の名前が藤堂だって知ってるの?」


「…え?」


「…あたしはさっきから彼と言って名前は出してない。
それなのにどうしてあなたは名前を知ってるの?」


「…あ。そ、それはクレジットカードとかで」


「…藤堂君は支払いは現金しか使わない。どこで名前を知ったの…?」
  

「それは…。」


「少なくともあなたと藤堂君はただの客と店員の関係じゃない!
そうでしょ!?」


「…くっ。」


森崎君は悔しそうな顔をしていた。




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