同居相手はまさかの!?
「…なるほど。君の意見は、よく分かりました。
えっと…藤堂君だっけ?
君、若いのにしっかりしてるねー!」


「…ありがとうございます。」



「…なるほど。絆か。
そんな大事な事に私は気づけなかったな…。」


「柿谷専務!?」


「…私も昔君と同じように社員で働いていた時、
よくこうやってロゴデザインを考えていたんだ。」


あたし達は全員、柿谷専務の話を聞いていた。


「よく、残業して皆で考えてね…。
あのときは大変だったけど楽しかった。」


「柿谷専務…。」


「でも、ウチの会社もだんだん評価が上がったんだ。
その頃からかな…?
社員達が全員、争いを始めたんだ。」


「……」


「前社長の時はね、とにかく争いが酷くて…
まあ、給与もかかってからな…。
ウチの部署もいつしか、協力とかなくなっていたんだ。」



「…そうだったんですか。」


「皆意見がバラバラになって、
どんどん崩れていった。
私も…専務になってからはとにかく会社の為だけに働いていた。
いつしかそれが社員達を苦しめていたんだな…。」


「…柿谷専務。」


「さっき君の話を聞いていて昔を思い出したよ。
私も昔は今の部下たちのように社員として働いていたのに…
上司になってから、専務になってからは
会社の為だけに働いてて
とにかく、ライバル会社に勝つことしか考えてなかった。
楽しんだり、社員達の事を全く考えてなかった。
勉強になったよ、ありがとう。」


そう言って柿谷専務は笑った。
< 348 / 504 >

この作品をシェア

pagetop