同居相手はまさかの!?
「………」


「…ねえ、高杉君最後に教えて。」


あたしは、身体を高杉君の方に向けた。


「…どうして、井ノ原専務と知り合いなの?」


「…何でそれを…!」


高杉君はまた動揺していた。


「…コンペが終わった後、あたしはまた第3会議室に戻ったの。
そしたらその時、高杉君が井ノ原専務と電話していたのが聞こえた。
…どうゆう関係なの?」


「……」


高杉君は黙ったままだった。


そう…簡単には教えてくれないみたいだ。


「…何か理由があるんじゃないの…?」


そうだ。


これまで高杉君は自分を犠牲にしてきた。


「…茉莉にはもう、何も隠せないな…。」


そう言って高杉君は悲しい笑顔をあたしに見せた。


「…高杉君。」 


「…ツルハがよく不正するのをウチの会社で聞いていた。
だから俺は真相を確かめる為に、あの会社に入っていた。
でもツルハにロゴデザインを教えたのは俺じゃない。」


「じゃあ…やっぱりあたし達を助けてくれたんだね。」

安心した。


…でも一体誰が…? 



その時高杉君があたしの頬を触った。



「茉莉、俺は茉莉の事好きだよ。
ずっと…
初めて出会ったあの日から。」


(…どうして今…そんな事言うの…?)


「茉莉」


そう言って高杉君は、あたしの手首を引っ張った。


「…高杉く…」


そしてあたしは、高杉君の方に身体が寄ってしまった。


「………」



だけど高杉君は、何も言わない。



ただ、ずっと強く…強く…あたしを抱きしめた。




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