同居相手はまさかの!?
コップを洗っていたその時


コンコン


音がした。


穴を覗くと大家さんだった。


あたしはドアを開けた。



ガチャ


「…大家さん。」


「あんた…大丈夫やったか?」


「すみません…ご迷惑おかけして…。」


「いや、ウチはかまへんのよ??…ただ。」


大家さんもきっとニュース観たよね…。




「あのな…茉莉ちゃん…。」


その時、大家さんの顔が曇っていた。


そうだよね…。


犯罪者の妹なんか居て欲しくないよね…。


「…部屋ですよね。分かってます…。
家賃払ったら出て行きますから」


「…ほんまごめんな…。」


「いえ…こちらこそ色々とお世話になりました。
…ご迷惑おかけしてすみませんでした。」


「茉莉ちゃん!これだけは忘れんとってな!
茉莉ちゃんの家はここや!
おばちゃんは信じてるから!」


最後まで優しい大家さんの声…。


「うっ…。」   
 

あたしはドアにしゃがみ込み、声を押し殺すように泣いた。



< 435 / 504 >

この作品をシェア

pagetop