同居相手はまさかの!?
「初めて将人の学祭のライブ観た時、
すごかった。」


「え?」


「将人の声、すごく良かった。
あたしは惹きつけられた。」


「ちゃんと届いてたんだな、茉莉に。」


「届いてたよ。あの頃一緒にいた気持ちに嘘なんてない。
…本当に楽しかった。」



「茉莉…。もう一度俺達やり直さないか?散々ひどい事言って勝手なのは分かってる。
でも、俺の歌を分かってくれるのは…!」


「将人。」


「…ん?」


「ごめんね。確かにあたしは将人の声も好きだし
将人と一緒にいた時間はかけがえのない大事な思い出だった。
でもね…。
今のあたしには大事な【思い出】にしか過ぎないの。」


「茉莉。」


「…あたしここ数日色んな事があった。
忘れられたらどんなに楽だろうって思う事もあった。」


「……」


「でも、どんなに忘れたくても忘れられなかった相手がいるの。
あたしはもう…その人の事しか考えられない。」


その時将人はしばらく黙った後、口を開いた。


「…悔しいな…。茉莉にはもう、心に決めた人がいるんだな…。」


「…将人。」


「…ありがとな。ちゃんと伝えてくれて。」


「ううん。」


「もう、困らせないから。ちゃんと大学の時の友達に戻るから。」


「うん。」

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