同居相手はまさかの!?
ピッ

『も、もしもし!?』


『はは、相変わらず大きい声だな…。』


ああ…高杉君の声だ。


『今どこにいるの!?心配したんだから…!』


『…ごめん。』


『…バカ。バカだよ高杉君…。』


『…そうだよな。俺バカだよな…。また茉莉を泣かせてるもんな…。』


『ねえ…どこにいるの…?』


あたしはもうこんなにもあなたを好きになってる。


『茉莉。』


『…』


『今まで本当にごめんな。
たくさん困らせて、たくさん茉莉を泣かせて。』



…本当だよ。


あたしは高杉君の事でたくさん涙を流した。


でも全部が全部悲しい出来事だった訳じゃない。


『高杉君…。』


『俺さ、茉莉と出会う前までずっと親の言いなりだった。
怖かったんだ。
反抗する事が…。』


『…』


『いつも兄貴と比べられた。
それが嫌で嫌で、何とか兄貴を乗り越えようと必死だった。』


『…うん。』


『でも超えられなかった。
それでも俺は完璧にしたかった。
ムリしてた。』
< 455 / 504 >

この作品をシェア

pagetop