同居相手はまさかの!?
「どうしてあの人が?」


その時友也が口を開いた。



「俺が呼んだんだ。」



「友也が?どうして?」


「…務所にいた時にあいつ、葵さんに何度も手紙を送ったんだ。
元々隼太は、葵さんに惚れてはいたらしい。
でも隼太は借金をしていた。
だから、その肩代わりとしてDestinyの社員として働いて葵さんを落とすのが条件だった。」


「…そうだったんだ。」



そして彼は、あたし達の所に走ってきた。




そして葵を見つめていた。



「俺、やっと目が覚めました!
あなたと同居してから色々気づきました。
やっぱり俺、あなたを忘れられないです!」



(この人が葵の…。)



あたしと友也はしばらく様子を見ていた。



その時、周りの人がザワザワしていた。




「え…何…?」



「同居…?同棲じゃなくて…?」


「あの人の知り合い…?」



「…バカ。こんな大勢の前で言う事ないでしょ!
バカ!ほんっとバカ!」



「す、すみません!でも俺、あなたが好きなんです!!」

「隼太君…。」


「今度は同居相手としてじゃなく…
彼氏として…
結婚前提で付き合って下さい!!!」


葵はしばらく黙っていた。 


(…葵?)



「もう…。…んなの当たり前じゃん!!」


葵は隼太君に抱きついていた。



「葵さん!」



その時



パチパチパチ



たくさんの拍手が鳴り響いた。



(…良かったね。葵…。)


葵は隼太君と無事和解出来たみたいだ。


その時、


「お、なんだか盛り上がってるねー!」


後ろから声が聞こえた。



振り返ると、課長、営業2課の社員一同が立っていた。



「課長!皆さん!来て下さったんですね!」



「ああ。もちろんじゃないか。」




「清宮課長!!…その節は本当に…。」 




「まさか、藤堂君と小野田君が結婚するなんてね。」



「あの…俺…。」



「ああ、知ってるよ。事情は全部小野田君から聞いたよ。



「…申し訳ございません!!」


「…水くさいじゃないか〜!私に相談してくれないなんて…。」



「すみません…。」



「勿体ないよ、君にはすごく才能があるのに…。
君の才能を僕は買っていたからね。」



「清宮課長…。」



「君も色々あったんだね…。
今まで良く頑張った。
でもね、藤堂君。
君は一人で抱え込みすぎる所がある。
だからこれからはちゃんと、小野田君を頼るんだよ。
そして辞めても、君はウチの大事なネクストの社員だ。
良いね?」



「は、はい!ありがとうございます。」


(…課長。)



「課長…。ありがとうございます。」



「だけど小野田君も寿退社か…。寂しくなるな。」



「仕事はやめませんよ?」



「え?」



「私は営業第2課が大好きですから!これからも続けます!」


「そ、そうかい!これは頼もしなーなあ、皆!」



「はい!」


そしてあたし達はしばらく色んな話をした。


あたし…この会社に入って良かったな。


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