同居相手はまさかの!?
次の日、麻央には今日の夕方レクレーション大会が終わってから本谷君を呼び出す事を聞いていた。



(…大丈夫かな…。麻央…。)


その時、佳奈が口を開いた。


「ねえ、見に行ってみる?」


「え…でも悪くない?」


「友達の事、心配じゃないの?」


「そりゃもちろん心配だけど…。」


「あたし達、友達でしょ?」


佳奈に強引に言われ、あたし達は告白場所をこっそり見に行った。


その時、本谷君と麻央が立っていた。



(…麻央頑張れ!)


あたしは心の中で祈り続けた。


「…話って何?」


「いきなり呼び出してごめんね…。あのね…本谷君…。
あたし…。本谷君が好きなの…!
あたしと付き合って下さい!」


(…言った!)


だけど…。


「…ごめん。俺好きな子いるから…。」


そう言って本谷君は気まずそうな顔をしていた。



「…誰…?」


「俺、小野田が好きなんだ。…ごめん」


(…えっ。あたし…?)


そう言って、本谷君は帰って行った。


麻央は呆然と立ち尽くしていた。


あたしは急いで麻央の元へ向かった。



「…麻央!ごめん!あたし…。」



「…さない。」


「え?」


「許さない。」


そう言った麻央の顔は、鬼の形相になっていた。


あたしは身体が震えた。


「ずっと…笑ってんだ。あたしが本谷君を好きなの知っててたくせに…。」


「…違う!本当に知らなくて!」


「応援してるって言ったくせに!!嘘つき!」


「違う!話、聞いて麻央!」


「裏切り者!最低!」



麻央は結局、あたしの話を聞いてくれなかった。



そしてその日からあたしは一人になった。  
 


「麻央!」



「あー千明!それ貸して!」 



「裏切り者が。」


「クスクスクス。」


麻央はもう、あたしの顔もみてくれなかった。



ポツンと一人で置き去りにされたみたいだ。 


そして卒業まであたしは一人だった。
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