同居相手はまさかの!?
「…本当に藤堂君なの…?」


皆に聞こえないよう、あたし達は小さく話した。


「そうだよ。いつ気づくか気になったよ〜
小野田さん全然俺に気づかねーもん。」


…えーと


この人は誰…?


キャラ変わりすぎでしょ…。


周りはザワザワしていた。


「…前にも会ってるのにさ。」


…前にも?


「…本当に気づいてねーんだな…。こうすれば分かる?」


そう言って、藤堂君は眼鏡を外し、髪をかきあげた。


(…あ!スーツ野郎!?)


「あの日BARにいたのは俺だよ。」


「ええー!?」


「小野田茉莉さん、ずっとあなたを見てました。
俺と同居して下さい」


(いきなり告白タイム!?)


…えーと。


いや、いくらなんでも振った相手と同居なんて無理でしょ…。

それに…ワンラブをおかした…。おかしてしまったかもしれない相手と同居なんて…。


絶対無理!!


「私!辞めます!!リタイアします!」


その時藤堂君があたしの耳元に近づいてきた。


「…やめたいならやめれば?
…それでも俺は諦めないけどね。
言っとくけど簡単には逃さねーから。」


女子なら今、誰もがときめく耳つぶでしょう…。


でも今のあたしには恐怖しか感じないです。


ああ…あたしのせいだ。


あたしのせいで藤堂君はグレたんだ。
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