臆病なきみはうそをつく
***

次の日の放課後は、バスケの練習がなかった。

でも、私は冬室くんと一緒に練習をする。

…私がそうお願いしたから。


自分で頼んだことながら、冬室くんと2人で中庭のコート前にいると妙にどきまぎしてしまう。

こんなところ、クラスの人に見られたら、何て言われるんだろう。

私なんかと変な噂がたったら、冬室くんに申し訳ない。

……いや、でももともとは、冬室くんから告白してくれたからOKなのかな。


ていうか。

もし、あの告白が本当の本当にうそじゃないとしたら

冬室くんは私のどこを好きになったのだろうか。


……そんな風にもやもやしながら練習をしたからか

それとも単純に運動神経の低さゆえか

私のバスケはいつまでも上手くならなかった。

冬室くんは丁寧に教えてくれているのに、私の身体はその教えを吸収できない。


「………ごめんね、冬室くん」

「え、どうして謝るの。笠原さん、ちゃんとやっているじゃない」

「でも、ぜ、全然上手くならないし……」

「そんなの。
たった1時間ですごく上手くなっちゃったら、バスケ部の立場がないよ」


そう冗談っぽく言うと、冬室くんはバスケットゴールの前に立った。

シュートの構えを作る。
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