臆病なきみはうそをつく
「……冬室くん………!」
私は冬室くんの手を強く握った。
言葉にできない、この胸の痛み。
冬室くんへの気持ち。
こんな私に告白してくれた人。
いつも優しく笑っている人。
本当はとても寂しい人。
そして、優しい人。
一緒にいた日々。
図書室の景色。
借りた本とか。会話とか。
そんなものが私の胸を満たしていく。
リアルにはなかったはずの居場所。
うそばかりだったはずの毎日。
でも、今
今のこの気持ちは本当。
私は、
私の居場所は
あなたの隣がいい。
……気持ちをこめて、手を強く強く握る。
冬室くんは驚いたようにピクッと動いたけれど。
すぐに握り返してくれた。
「………かさ、はら……さ………」
「ーーーー大丈夫か!?おい、男子!手を貸せ!保健室に運ぶぞ」
「……あっ……」
担架を持った先生が私たちのそばに到着した。
冬室くんは担架に乗せられ、あっという間に運ばれていく。
握った手がほどけた。
冬室くんの目に憂いが浮かんでいるように見えて、胸がぎゅっと痛んだ。
「……冬室くん……」
もう見えなくなってしまった。
周りに集まっていた生徒も、とりあえず一段落したと散り散りになっていく。
「……笠原さん」
「冬室くん、きっと大丈夫だよ」
呆然とする私のところにクラスメイトの女の子が集まってくれた。
そこには奥田さんたちの姿もある。
「……さ、もうすぐ私たちの出番だよ。がんばろ」
「冬室くんにいい報告しないとね」
そう言いながら私の手を引く奥田さんたち。
私は………
「……うん。そうだね」
と、うなずいた。
笑うことはできなかったけど、多分少しは明るく言えていたと思う。
私は冬室くんの手を強く握った。
言葉にできない、この胸の痛み。
冬室くんへの気持ち。
こんな私に告白してくれた人。
いつも優しく笑っている人。
本当はとても寂しい人。
そして、優しい人。
一緒にいた日々。
図書室の景色。
借りた本とか。会話とか。
そんなものが私の胸を満たしていく。
リアルにはなかったはずの居場所。
うそばかりだったはずの毎日。
でも、今
今のこの気持ちは本当。
私は、
私の居場所は
あなたの隣がいい。
……気持ちをこめて、手を強く強く握る。
冬室くんは驚いたようにピクッと動いたけれど。
すぐに握り返してくれた。
「………かさ、はら……さ………」
「ーーーー大丈夫か!?おい、男子!手を貸せ!保健室に運ぶぞ」
「……あっ……」
担架を持った先生が私たちのそばに到着した。
冬室くんは担架に乗せられ、あっという間に運ばれていく。
握った手がほどけた。
冬室くんの目に憂いが浮かんでいるように見えて、胸がぎゅっと痛んだ。
「……冬室くん……」
もう見えなくなってしまった。
周りに集まっていた生徒も、とりあえず一段落したと散り散りになっていく。
「……笠原さん」
「冬室くん、きっと大丈夫だよ」
呆然とする私のところにクラスメイトの女の子が集まってくれた。
そこには奥田さんたちの姿もある。
「……さ、もうすぐ私たちの出番だよ。がんばろ」
「冬室くんにいい報告しないとね」
そう言いながら私の手を引く奥田さんたち。
私は………
「……うん。そうだね」
と、うなずいた。
笑うことはできなかったけど、多分少しは明るく言えていたと思う。