わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

「あいつと別れろよ」

「命令しないで」

また男にアゴクイされそうになったので、姫は慌てて立ち上がってきっぱり言った。
「別れるときは、自分の意志で別れるから」

アゴクイはあれ以来、誰にもされていないし、望んでもいない。



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