わたしがまだ姫と呼ばれていたころ
突然、砂漠の映像が現れた。
らくだに乗っている女、そのらくだを引いている男。エジプトだろうか。
それが次の瞬間、海になる。
海に浮かんだお城のような建物。ヨーロッパのような雰囲気だ。
モン・サン・ミッシェル?
馬小屋だろうか、藁が高く積んである。ああ、懐かしい香りがする。
「誰なの」
姫は自分自身の声で目を覚ました。
目を開けた姫の、ベッドの左側にまた先生は立っていた。