わたしがまだ姫と呼ばれていたころ
「みなさーん、お疲れさまでしたー。……姫、今日はありがとね。姫は帰るよね?」
「う、うん」
「じゃ、気をつけてね。またね」
「うん、ありがと」
リナも、あまりにも素っ気ない態度だったので、ちょっと拍子抜けした。
もちろん、二次会には、もともと行くつもりはないけど。
「ねぇねぇ。これからサルサバー、行っちゃう?」
リナはみんなに取り囲まれて、二次会の話に夢中だ。ちょっと淋しい気分になる。
明日は休みだから、カラオケにでも寄ってちょっとだけ歌って帰ろうかな。
そんなことを考えながら、みんなと別れて、駅のほうに向かって歩き始めた。