わたしがまだ姫と呼ばれていたころ

あ、そうだ。さっき、ジョンから……。

姫はポケットから、それを取り出した。
やっぱり! 形や大きさなどから、もしかしてと思った通り、さっきの居酒屋で使っていた、厚手の紙のコースターだった。

几帳面な字で、電話番号が書いてあった。ただ、それだけ。

そのとき、姫の携帯電話が鳴った。

「まさか?」


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