大切なもの
「やった佳穂席替えだって!」
沙世はすごく喜んでた。
「うん…」
あたしはそんなに喜べなかった。
……坂田と…離れちゃうのか…
そう思うと何故か寂しかった。
「え〜じゃあ出席番号順にくじ取りに来て〜!」
ワーッ
数分経ったらみんなくじを取り終えていた。
席替えだからなのか坂田も教室にいた。
「じゃあ先生が黒板に適当に書いていくからそこの席に移動すること!」
すると先生はあたし達に背を向けて黒板に番号を書き始めた。
あたしは13番だった。
「よしっ!出来た!移動開始!」
先生の一言でみんなが黒板に集まり出した。
『うわ〜すごいね沙世!あたし達は後でゆっくり行………』
そこにもう沙世の姿はなかった。
とっさに黒板を見ると…………いた………
しかも1番前にいる……
あらためて沙世はすごいと思った…