大切なもの
「うわ〜佳穂!入り口のとこすごい混んでるよ!」
『うわ。ほんとだ。』
あたしは行列とかに並ぶのが嫌い。
少し肩を落とした。
その生徒やら保護者やらの流れに流され、やっと体育館の入り口のドアのとこにたどりついた。
ドアの中に入るとさっきの混雑は何だったのか。
普通に歩けるほどで混雑はしていなかった。
こんなすかすかなのに人にぶつかる人とかいんのかな〜。その人はよっぽどバカなんだろーなー。
などの考えをしていると――
"ドンッ゙
「っと!ごめん!」
あたしと5センチくらいしか変わらないくらいの身長の男の子がぶつかってきた。
同じ制服だし、同い年かな。