あなたの運命の人に逢わせてあげます
Chapter 13
「……魚住くんには……奥さん、いないの?」
美咲はおれを見上げて逆に質問した。
その目には緊張の色が見てとれた。
おれはこっくり肯いた。
「でも……つき合ってる人はいるんでしょ?」
美咲はさらに質問を重ねた。
おれは首を振った。
実は会社の中に、バレンタインデーやクリスマスや七月のおれの誕生日などにプレゼントをくれる女の子がいて、お礼がてら遊びに行ったりするくらいはしていた。
向こうがこちらの一言を待っているのはわかりきっていたが、社内の女の子に手を出すと後々面倒なことになるので、もう少しおれの気持ちが固まるまでは、と自重していたのだ。