あなたの運命の人に逢わせてあげます

テーブルで向かい合って食べているとき、美咲がちょっとイジワルっぽく笑いながら言った。

「朝ごはんみたいなメニューだけど、こういうのが身体(からだ)にいいんだよ。どうせ、いつもお店で、脂っこいものばっか食べてるでしょ?」

図星だった。

「お味噌汁の味は魚住くんにしたら薄いでしょうけど、このくらいが身体のためにはちょうどいいの。具だくさんにして食べ応えのあるようにするから、この味に慣れてね」

表面はこんがりとした焼き魚は中はふっくらとしていた。甘辛いきんぴらごぼうの胡麻油の香りに食欲をそそられた。だし巻き玉子はきれいに巻かれている上にふわふわだった。

確かに、どれも絶品だったが、味噌汁の味だけはちょっともの足りないな、と思っていた。

おれがちょっと顔を(しか)めると、美咲は逆に満ち足りたような笑顔になった。

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