あなたの運命の人に逢わせてあげます

日常生活には支障なくバレエのレッスンができるまで回復したとは言え、持病を持つ美咲は、おれの体調管理に関してかなり気になるようだった。

おれに対する「注文」は、身体を動かすことにも及んだ。

「か、和哉くんは、あんなに運動神経よかったのに、今はほとんど運動してないでしょ?」

これもまた、図星だった。

「『くん』はいらない」

「えー⁉︎ あたし、今まで男の人を呼び捨てにしたことないよぉ。従兄弟だって『くん』だよー」

それはいいことを聞いた。

男にとっては、それがなんであれ「初めて」は至上の喜びだ。

「か、和哉……は、今はまだ、昔の『貯金』があるから体型維持できてるけど、今のうちに何かする習慣付けとかないとね」

バレエで身体の芯ををバッチリ鍛え上げ、スリムなボディを維持できている美咲が言うと説得力が違う。

佳祐ではこうはいかない。

あいつもおれと一緒で「貯金」を喰いつぶしてる真っ最中だ。

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