あなたの運命の人に逢わせてあげます
『……おい、どうしたんだよ、急に黙り込んで』
スマホの向こうから、佳祐のムッとした声が聞こえてきた。
「ああ、なんでもない。それよりさ……」
おれは話題を変えて、運動不足解消のためにフットサルをやらないか、と誘った。
すると、佳祐も日頃の怠惰な生活に危機感を感じていたのか、即座に話に乗ってきた。
早速、メンバーを集めてくれると言う。
おれたちは二人とも東京を離れてこの地に赴任しているが、佳祐は広告代理店の勤務のため顔が広かった。
「あ、おれ、もうキーパーやらねえからな。できるヤツ見つけといてくれ」
と、おれは頼んだ。
『なんでだよー』
びっくりした佳祐の声が聞こえてきた。
身長があるからと言うのでゴールを守っていたが、本当はドリブルで相手の間を縫って行ったり、シュートを豪快に決めたりしたいと、ずっと思っていたのだ。