あなたの運命の人に逢わせてあげます
「いらっしゃいませー」
インド人らしき男の店員が大きな声で挨拶した。
しかし、すぐにすまなそうな顔をして、
「今、ランチタイム、いっぱいねー」
と言った。
店の中を見渡すと、なるほどテーブルはすべて埋まっていた。
「……まいったな」
おれは途方に暮れた。
それは、テーブルが満席だったからだけではない。
この店の中のどこに、おれの「運命の相手」がいるのか、皆目わからなかったからだ。
メールにはこの店の場所しか記されてなかった。
友人はそこに元カノがいたからよかったものの、おれはいったい、どうやってこの中から見つけ出せっていうんだ。