あなたの運命の人に逢わせてあげます
「はぁ?」
おれは間抜けた声を出した。
ステーショナリーに特化したネット通販に勤務するおれは、新商品に向けての販促に関する企画書を仕上げるために、一人会社で残業していた。
PCを操っていたにもかかわらず、手にしていたコンビニで買ったスタバのコーヒーを、危うくキーの上に落っことすところだった。
「おまえ、頭大丈夫か?幸せボケでどうにかなっちまったんじゃねえのか⁉︎」
思わず大声を上げていた。
しかし、直後にあることに気づき、一転して声を下げた。
「おまえがあの子のことを忘れられないのはよくわかる……けどさ、悪いことは言わないからさ……」
おれは諭すように我が友に語りかけた。
「……ヘンな宗教に入ってる女だけはやめとけ」
スマホの向こうから深ーいため息が聞こえてきた。
『……だから、おまえには言いたくなかったんだよ』
不貞腐れた声だった。