あなたの運命の人に逢わせてあげます
あの頃、おれはなんであんなにがんばれたんだろう。
平日は私立の中学を狙うような塾に通って勉強しながら、土日は地域の少年サッカーのチームにも入って練習に明け暮れていた。
おまけに、ずーっと学級代表を任され、六年生のときには児童会長までやっていた。
毎晩へとへとになって布団にもぐりこみ、気がついたら朝を迎えていた。
だが、たとえどんなに疲れていても、朝起きて、飯を食って、学校へ行き、彼女の顔を見ると、またどこからか力が湧いてきた。
どれもやめようと思ったことはなかったが、唯一やめたのはスイミングスクールだった。
身体を動かすことが好きで体育は得意科目だったが、どういうわけか水泳だけはダメで、大人になった今でもほとんど泳げない。