あなたの運命の人に逢わせてあげます

修学旅行が終わると、おれと彼女はみんなから「夫婦」扱いされるようになった。

彼女はおれの名字やニックネーム、時には「奥さん」と呼ばれた。

そう呼ばれた彼女は頬を赤くしながらも、自分をそう呼んだ相手を強い目で睨み返していたが、文句は言わなかった。

友人たちからは「両思いでいいよなー」とうらやましがられたが、まだ小学生の身ではなにをどうしていいのかわからない。

おれたちは思春期に入りつつあった。

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