あなたの運命の人に逢わせてあげます

そういえば、あの不味(まず)い給食ですら、美咲は美味(うま)そうに食べていたのを思い出した。

「……相変わらず、なんでも美味そうに食うよな。あの不味かった給食でもそうだったからさ」

おれが思わず言うと、

「よく言うよ。あの不味い給食には毎日泣かされてたんだよ。なかなか減らなくて、いつも昼休みになってもまだ食べてたもん」

美咲は少し口を尖らせて異を唱えた。

そして、目を伏せ、

「……それにしても、魚住くん、あたしのこと、よくわかったね」

と言いながら、今度はターメリックライスをスプーンですくい、銀色のカップにの中に浸してから口に運んだ。

やっぱり美味そうに見える。

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