あなたの運命の人に逢わせてあげます
Chapter 8
食後に頼んだアイスチャイを一口飲んでから、
「岡嶋は、このあと、なにか予定ある?」
おれは美咲をじっと見つめ、訊いてみた。
マサラチャイを飲んでいた美咲は、足元の方へ視線を落とした。そこには、大きなトートバッグがあった。
「バレエのレッスンがあるんだけど……」
ちょっと困った顔になった。
そういえば、美咲はひっつめた髪を頭頂部で団子みたいに丸めた、バレリーナのような髪形をしていた。
「おまえ、バレエなんて、子どもの頃やってたっけ?」
驚いたおれが尋ねると、
「大人になってから始めたの。いつもは家の近くのバレエ教室なんだけど、月に一回だけバレエショップがやってるオープンクラスのレッスンを受けてるんだ」
美咲が答えた。
「それ、休めよ」
おれは思わず言った。
このまま、まだ美咲と別れたくはなかった。
本当におれの「運命の相手」かどうか、見極めたかった。
そして、なによりも美咲ともっと一緒にいたかった。