あなたの運命の人に逢わせてあげます
美咲は呆気にとられた表情をした。
「休めよ」
おれはもう一度言った。目に力を込めた。
すると、美咲の顔中に笑みが広がった。
「魚住くんは……強引だなぁ……相変わらず」
それから、上体を折るように倒してトートバッグのポケットからスマホを取り出し、また身を起こした。その一連の動作は、とても優雅でまるでバレリーナのようだった。
「今日はよく気の変わる日だわ」
美咲が少し悪戯っぽく微笑んだ。
「来週のレッスンに振り替えてもらうね」
そう言って、スマホで変更の手続きを始めた。