あなたの運命の人に逢わせてあげます

「今までつき合った男は背、高くなかったのかよ?」

おれが尋ねると、

「そうね……だいたい一七〇センチくらいだったからなぁ……」

美咲は記憶を手繰(たぐ)り寄せるような目をして答えた。

どんなヤツだったんだろう、と思ったら、胸の奥底から苦いものがじわじわと込み上げてきた。

「そっちこそ、どうせスラーッとした女の人とばっかつき合ってきたんでしょ?」

美咲がニヤニヤしながら訊いてきた。

「そうだな……みんな一六五センチくらいはあったかなぁ……」

おれも記憶を手繰り寄せるような目になっていた。

美咲の笑顔がすーっと消えて、能面のように冷ややかな表情に変わった。

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