あなたの運命の人に逢わせてあげます
三年ほど前、美咲は小さな設計会社を経営する男と結婚したと言う。
相手はバツイチで年齢が一回りも上だったので彼女の両親は猛反対したが、それを押し切ったそうだ。
「……魚住くんと、同じ干支で同じ星座の人だよ」
おれに腕枕された美咲が乾いた笑いをする。
「おれと似ているのか?」
美咲は即座に首を振った。
「似てるかな、と思ったけど、全然違ったな……やっぱり占いなんて当てにならないって、よくわかった」
そう言った彼女の声には、自嘲の色が含まれていた。
美咲は大学卒業後、だれもが名を知る会社に就職したそうだ。
だが、一年も経たないうちに父と同じ病を患い、会社を辞めて入院した。
父と同じように、全快することはないが日常生活に支障がないくらいに回復したあと、彼女は両親が止めるのも聞かず、アルバイトを探した。
見つけた先が、夫となった男が経営する会社だった。
「病気になって、気弱になってたのかなぁ……プロポーズ受けちゃった」
おれの腕の中で彼女は弱々しく笑った。