不機嫌なジェミニ
今日はいつ帰ってきても温めてすぐ食べられるロールキャベツにしようか。

そう思いながら近所のスーパーで買い物をする。
男の人はポテトサラダが好きかな?
野菜やお肉を選んでいるととても嬉しい気分だ。
はじめての恋人と過ごす週末はとても楽しい。

…たとえ、恋人が私だけではなくても…
今日のジンさんは私のものだ。

少し、息をついてから、気を取り直し、レジに向かった。



ジンさんが住む高級なマンションは今日もシンとしている。

私はまたテレビをつけて音だけを聴きながら持ってきたエプロンをつけて
おつまみと思われる瓶詰めやチーズや調味料だけが入っている冷蔵庫に買ってきた食材をいれ、

前に来た時と、前の前に来た時に使って持って帰っていたパジャマや下着や部屋着を取り出し、
ベッドルームのクローゼットに向かおうとしたけど…


勝手にベッドルームなんか開けて
何か見つけてしまったら大惨事になりそうなので、ソファーの前のテーブルに重ねて置いておく。

やれやれ。

随分と年が離れた(何度数えても14歳差。だよね。)
モテる恋人を持ったオンナは大変だ。と独り言を言ってキッチンに戻った。

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