不機嫌なジェミニ

ポテトサラダとコンソメ味のロールキャベツを作っておきひと息ついてコーヒーを飲んでいると、
部屋のチャイムが鳴らされた。

だ、誰？
驚いてインターフォンを覗くと、笑ったジンさんが顔が映った。

「おっ、お帰りなさい。今、開けます」と慌ててドアを開けると、

「ただいま。トウコ。驚いた顔が見たくて連絡しないで帰ってきた。」
と玄関の内側で抱きしめられ、頬にキスをされる。
私が赤くなってキスされた頬に手を当てると、

「そんなに恥ずかしい？」とクスッと笑ってさらに深く抱きしめてくる。

ジンさんの匂いに包まれ、私はとても安心する。


「は、恥ずかしいですけど…嬉しいです。」と目を閉じてそっと背中に腕を回すと、

「うん。俺もトウコが家に居てくれて嬉しい。」

と柔らかい声で言って、ぎゅうと抱きしめてから身体を離し、手を繋いで部屋に入った。