不機嫌なジェミニ
新しいふたり。

トウコの決心。

私は一応家族の認識では
婚約者としてジンさんの部屋に一緒に住むことになった。

でも、
大切なアレキサンドライトの指輪は私が結婚すると決心するまで金庫の中に入れてもらった。

まだまだ結婚しようなんて思えそうにないから…


ジンさんは
仕事先ではあいかわらず、1番下っ端として働く私にいつもどおりに接して、
デザイン画にバツをつけ、お題を増やしたり、ミーティングに出て、厳しい意見を言ったり、
私を呼びつけてお小言を言ったりして過ごすけれど、

家に帰ると甘すぎる恋人になる。
部屋に入った途端に私を抱き寄せ、食事の用意をする私の隣でワインを飲み、
食事を終えると、一緒に食器を片付け、私を抱き上げ、バスルームに向かう。

その後は寝室でほとんどの時間を過ごす。
抱き合ったり、じゃれあったり、ベッドの中からテレビを見たり、仕事も時々していたりする。
ジンさんは寝るときは上半身裸で、私の肌に直接触れたいと、
私もベッドの中ではキャミソールにお揃いの短パン。って感じになった。
(ジンさんがランジェリーショップに私を連れて行き、沢山用意した。)
まあ…抱き合った後は裸だけど…
私の肩や、腕に直接掌を滑らせ、唇を付け、足を絡め合わせる。
何度もくちづけを交わし、微笑みあい、愛してると囁く。

私がジンさん腕の中で、
ジンさんの髪を梳き、頬にそっと唇を付けると、満足そうに眠りについているみたいだ。

もちろん忙しいジンさんは夜、私がベッドに横になってから帰ることもあるけど、
朝起きると私の体を深く抱いて眠っている
もちろん私のパジャマをすっかり脱がせてキャミソール姿にする事も忘れない。
(ジンさんのいないベッドは広くて少し寒い気がするので私はパジャマを着てベッドに入るのだ)

私は安心し、

ジンさんの笑顔を見あげて一緒に暮らしている。


仕事先で何か言われても、

ジンさんだけの言葉を信じることができるようになったからだ…


ジンさんは惜しみなく眼差しや言葉や態度で私を愛してると言っていると

やっと気づくことができたのかもしれない。




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