不機嫌なジェミニ
夏休み。

私はジンさんに誘われて沖縄のリゾートに来ている。

沖縄が初めての私は植物がまるで違うという事に驚いて、大きな木を見上げる。

空港の近くでレンタカーを借り、観光地を回る。

真夏の太陽が降り注ぎ、沢山の観光客で溢れていて、
駐車場に車を置き、はぐれないように手を繋いで歩く。

アメリカンサイズのハンバーガーを食べたり、色の綺麗なアイスクリームを食べたりして
はしゃいで過ごす。

ジンさんも楽しげに、私を見つめ、肩を抱き寄せたり、髪をくしゃくしゃと撫でて笑い声を立てたりする。

私はとてもリラックスして、仕事を忘れてジンさんの腕の中にいる。



予約してあった海沿いのホテルのコテージはとても贅沢で、専用プールの向こうにビーチパラソルが並ぶプライベートビーチが広がっている。

部屋に着くと、荷物を解く前にジンさんに手を引かれてシャワーを浴びてベッドを確かめる事になった。

少し水気の残った肌を重ね合わせる。

「トウコ、愛してる」

とジンさんは囁き、私を快楽の中に沈めていく。
私は声を上げ、身体を弓なりに反らせて

『ジンさんを愛してます』

と切れ切れに言葉にして、何度も呟いた。






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