不機嫌なジェミニ
突然の出来事で事で膝がガクガク震え、足元がおぼつかない私の手を引いて
セイジさんは私の荷物を持って廊下をゆっくり歩くと、
前からやって来たさっきの美人が

「セイジ、何やってんの!?」とセイジさんの耳を掴む。

「いててて、違うって!
気分が悪くなって送るように言われただけ。
トウコちゃん、バイト明日10時に来れる?」と聞くので、

「はい。大丈夫です!」と言うとヒラヒラと手を振って美人と戻って行った。


…バイト…?
内定出すって言ってたよね…
確か…
学校は授業はほとんどないから
バイトできるけど…



ジェミニ…
双子座の双子。

夢じゃないよね。


とりあえず、

とりあえず

実家に帰ってお見合いは無くなった

って事かな

と夢見心地で通用口を出てからゆっくり歩いた。



< 14 / 159 >

この作品をシェア

pagetop