不機嫌なジェミニ

どこにいても。

2月の終わり。

『Ciao!』の春の新作の最終デザインを提出し、サンプルを待つだけになった。



このまま

何も話をせずに留学するわけにもいかないと、

やっと決心をして

土曜日の朝、

「少しお話があります」

とゆっくり朝食を食べた後に言って、

今日も仕事に行く

ジンさんの帰りを待つことにした。

最近のジンさんは夜も遅く帰ってきて、土日もほとんど休まずに仕事をしていて、

私と向き合うことを避けているみたいだ。


今日も夕食はいらない。と連絡があって

夜10時を過ぎて帰って

「待たせたね。ごめん」

とスーツのままで私をソファーに座らせ、隣にドサリと腰掛けた。


「ジンさん、私は留学を決めたけど…
ジンさんの恋人を辞めたくありません。
…2年間。
待っててくれませんか?
毎日、連絡します。
夏休みやお正月には帰ってきます。
…だから」

「…トウコは
俺に待って欲しいんだ。
…2年って長いと思うよ
俺は38になっちゃうし…
…待てって言うのは…
トウコの我儘じゃないか…」

とジンさんはため息をつき、私の顔を見る。

「我儘なのは分かってます…
それでも…ジンさんに待っていて欲しいです。」

涙で前が見えなくなる。

…私の我儘…そうだよね…

2年って長いよね…





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