不機嫌なジェミニ
今日はデミグラスソースのハンバーグと銀ダラの煮付けだ。
私とジンさんは魚を選び、
セイジさんと、蘭子さんはハンバーグにした。

「トウコちゃん、昨日も魚だったね。」とセイジさんが私を見る。

「お肉料理はするけど、お魚って高いし、味付けって難しくって…」と言うと、

「トウコちゃん、お料理するんだ。」と蘭子さんが驚いた顔で私を見る。

「妹と2人で住んでいて、基本は自炊です。」

「もしかして弁当とか今日も持ってきてたか?」とジンさんが聞くので、

「給湯室の冷蔵庫を庶務で借りていいと言われたので、そこ入れてありますけど…
持って帰って食べるので、大丈夫です。
ここのご飯美味しくて嬉しいですし…」

「そうか…弁当のおかず何?」と聞くので、

「うーん、野菜を肉で巻いたもの。と卵焼き。ピーマンの煮浸し。だったと…」

「じゃあ、俺が夕飯に食べておく。」

「ええ?困ります。誰かに作ってるわけじゃないからテキトーだし…」

「ここは俺が奢ってるだろ。夕飯はおまえが奢れ。」と言われ、

「…美味しくないって文句言わないでくださいね…」
と温かいお味噌汁を飲みながらため息をついて頷いた。


「…ふうん。そういう感じなんだ」と蘭子さんが私とジンさんを交互に見て、

「やっぱ、そういう感じだよねえ。」とセイジさんもうなずく。

…そういう感じって何よ。

「くだらん。おまえら、変な噂を立てるなよ。」とジンさんは呆れた声を出して食事を続けた。



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