不機嫌なジェミニ

私は何番目のオンナですか?

店を出て、待っていた黒塗りの車で蘭子さんにジンさんのマンションに送ってもらった。

正面の入り口はホテルのロビーのようだ。
前に来た時は地下の駐車場に直接出入りしてたから…
こんなに立派なエントランスがあると気づかなかった。

入り口を入ると、エレベーターが左右に分かれていて、
右側の20階から上がセキュリティーの高いガラス戸付きのエレベーターになっているみたいだ。

もう1度ガラス戸にカードキーをかざし、エレベーターにもカードをかざすと、
音もなくエレベーターがやって来て、
乗り込むと、ジンさんお部屋の階の25階の表示が光った。

緊張しながらドアを鍵で開けると、広い玄関に明かりが自動でついた。

まだ、ジンさんは帰っていない。

広いリビングに灯りをつけ、大きなソファーに座り込んで
リュックに入れてあったミネラルウォーターを飲む。

シンとした広い部屋が少し怖くてソファーの前のテーブルに置いてあったリモコンで、
テレビのスイッチを入れると、ものすごく大きな画面でニュース番組が始まった。

少しくつろいで足もソファーの上に乗せ、体育座りで顎を膝小僧に乗せると、
途端に眠くなる。

ワイン飲んじゃったからな…

私はこの部屋でいつも眠っているみたいだ。
と思いながら目を閉じた。
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