不機嫌なジェミニ
近所のこじんまりした洋食屋で、
具沢山のチョップドサラダとオムライスとビーフシチューをシェアして食べる。

「ジンさん、お料理はしないんですか?」と聞くと、

「そうだな。今はしている暇がないって感じだな。
ヨーロッパにいた時は作る事もあったけど…
外食や、遅い時間に行きつけの小料理屋で夕飯を済ませることも多い。
レンに呼ばれて接待もあるし…
家の事は家政婦さん任せだな。
掃除や洗濯は実家のお手伝いさんが平日に週に3日来てるし…」

ジンさんはいつも忙しいけれど…私にできる事もなさそうかな…
お手伝いさんが来ているのなら、困る事もなさそうだし…

恋人って…何をすればいいのかなあ
そんな私の表情を読み取ったのか


「トウコ、そばにいてくれるだけでいいよ。
一緒に食事をしたり…
部屋に来て一緒にベッドで眠ってよ。」と微笑みかけてくれる。

私は嬉しくなってジンさんを見上げ、頷いた。



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