不機嫌なジェミニ

ジンさんにマンションの前まで送ってもらい、車の中で長いくちづけを受けてから車を出る。

長いくちづけに自由を奪われ、
頬を赤くし、ギクシャクと歩くことしかできない私を
ジンさんはマンションのドアの内側に入るまで見送ってくれ、
私がマンションの中から手を振ると、ジンさんも手を挙げ帰って行った。

長い2日間だった。
一応、香澄に泊まってくるかも…と言っておいたけど…
心配しているだろうか？

部屋の鍵を開けて入ると、
まだ、部屋は暗いままだった。

なあんだ。と部屋の明かりを付ける。

気まずい雰囲気にならなくて良かった。
恋人と泊まって後に家族に会うのは少し気まずいものなんだなって
やっと経験できたかもしれない。
と少しおかしくなって微笑んだ。


私はそのままお風呂に入る事にしてお風呂を掃除し、
お湯を張っていると、

鍵がガチャンと開いて、香澄が部屋に入ってくる。

「ねえ。トーコちゃん、キスが長すぎ。
外で待ってたら風邪ひいちゃうじゃん。」と文句を言っている。

へ？

「すごく高級な外車が停まってたから、絶対トーコちゃんの彼氏だとおもってさあ。
…前に電話来た時、名前を言ったから…それって社長だって思ってえ、
顔を見ようと遠くから回り込んだら、ガッツリキスしてるし…
全く、一緒にいた彼氏も呆れて見てたから…
恥ずかしい人達だな。」と言いながら、ソファーに転がる。

はい？
見てたの？